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緊急事態

今日診療室で、緊急事態が発生しました。
診療開始10分度々前に、同じ敷地内にある自宅で白衣を着て玄関を出ようとした時、診療所の受付が、血相を変えて「患者さんが大変です。」と呼びに来しました。
途中で確認すると、台風の影響で強風の中自転車で来られ、待合室のソファーに座わられてすぐに気分が悪いと言われ、口から泡を吐かれたと言うのです。
患者さんの顔を見た途端、これは、緊急事態だと身震いしました。顔面蒼白、汗をかき体温低下。意識レベルほとんどなし。
脈拍もほとんど触れず、反応なし。この方は、81才の男性で、脳梗塞の既往があり、何度か緊急入院されたとか。今日の多湿、強風の中自転車を漕いで来られ、熱中症を起こされたのでしょう。
体温低下のためすぐに毛布で保温し、救急セットとAEDを用意し、救急車の手配を指示しました。急激に血圧低下、脈触れなくなり、呼吸も確認出来なくなりました。何度か救急蘇生の講習会を受けて、スタッフともトレーニングはしていましたが、開業して30年で初めての事態でした。
意識を無くすと、先ずは気道確保、人工呼吸、心臓マッサージと頭の中には有りましたが、一瞬躊躇します。そんな時に心の支えとなったのが、AEDでした。最後にはこれがあるという安心感が、平常心を与えてくれました。瞳孔も開いていましたが、心臓マッサージをしているうちに、意識が戻ってこられADEを使用するに至りませんでした。救急車が到着したときには、かなり回復されておりました。
家族さんに連絡し、診療所のスタッフを救急車に同乗させました。搬送先の病院から回復されたという連絡を受け診療所のスタッフ全員、私も含めて大拍手でした。緊急事態に体を強張らせて、呆然としてしまったスタッフも中にはいて、早速、反省と新しい緊急マニュアル作りのミーティングを開きました。私にとっても若いスタッフ達にとっても貴重な体験をさせて頂きました。その時患者さんの奥さんからお礼とご本人もお宅へ元気で帰られたと電話がありました。私は、ほっと安堵と本当にお役に立てたという満足感を味わいました。全員でお昼にいつもの社長から差し入れをおいしくご馳走になりました。
今日は、人の命の尊さを本当に改めて実感しました。
感謝感激です。本当にありがとうございました。

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